幕開け。
拡散させた左右からのライトがフェードイン。上手に三成、下手に左近。
徐々に絞り込まれ、の三成にピンスポ。
彼は背を向けて立っている。
影が二つ、左右にできる。
「俺はそうとしか生きられない」
背を向けたまま、三成が言う。
左近は体ごと振り返る。同時に左近へもピン。
「そうとしか生きようとしていないんじゃないですか」
三成は依然として背を向けたままである。
「そうとしか生きられないだけだ。それ以上も以下もない」
「逃避だ」
「いいや、違う」
三成はゆっくりと振り返り、正面を睨みつける。
照明、カットアウト。暗転。
ふたりの立ち位置が入れ替わる。
照明フェードイン。
ふたりとも背を向けている。
「俺はそうとしか生きようとしない」
左近が言う。
三成が振り返り、ピンが絞られる。
「なぜだ。それは逃避ではあるまいか」
「いいや、違うな。俺の生き方を他人に指図される謂れは無い」
照明カットアウト。
立ち位置の入れ替え。
ふたり、正面を向く。
「その通りだ。俺は俺である」
「その通りです。ですが、放っておけない」
「支離滅裂だ。いきなり感情論になったぞ」
「だが、ひとに対するとき、感情を抜くことはできない」
「ご都合主義な話だ」
「そちらもね」
ふたり、ゆっくりと背を向ける。
照明フェードアウト
「お前は俺のことを、憎んでいると言うべきだ」
09/25
(暗転多すぎる)