03:テスト勉強

四人










幸「大変だー大変だー」わたわた


ばたばた

ばたばた


幸「あーこりゃしょーない!大変だー」


ばたばた

ばたばた



三「……」

兼「幸村?どうしたのだ、走り回って」

三「グルグル走り回れば解決する問題なのか?」

幸「いえ…、解決しそうにありません」

三「なら体力の無駄遣いだ。三半規管がマヒするぞ」

幸「はあ…サンハンキカン…」

兼「一体なにが大変なんだ?義によってチカラになるぞ」

幸「いえ…あの」

三「おおかた、明後日からの期末テストのことだろう」

兼「ああ」

幸「よくわかりましたね!」

三「このパターンは四回目だ」

兼「少しは余裕を持ったらどうだ?」

幸「あ、はい、すみません」

三「まず遅刻をするな。授業にちゃんと出ればわかるはずだ」

幸「はい…」

兼「しかし、低血圧を理由に毎日重役出勤してくる成績上位者に言われると、嫌味だな」

三「ふん、教科書がなんのためにあると思っている」

幸「わあ、すごいですね。予習と復習をしっかりしてるのですね」

三「努力無しに実力が得られるものか」

兼「ははは、言ってくれる」

三「まあ幸村、勉強がヤバイんだったら左近をカテキョに行かせるぞ」

幸「…島先生ですか?」

三「うむ。教師だからな」

兼「そうだな。三成が言えば島先生もやってくれるだろう」

幸「え、でも、カンニングとかになりませんかね?」

三「そうか?左近は一年の古典を担当していたっけか?」

幸「いえ、現文です」

兼「ほお…、私たちの方は古典を担当しているぞ」

三「そういえば、一年は古典は無かったな」

幸「あ、島先生」



左「お前さんらー、テスト前なのにお喋りとは、余裕ですな」

三「左近、丁度いい。幸村にテストの問題を教えてやってくれ」

左「ムリです」

兼「違うだろう三成。島先生、幸村に勉強を教えてやってください」

三「そうだそれだ」

左「あー、別にいいですけど…」

三「よし、左近の家に強襲だ!」










幸「え…、へえ。ふうん」

左「その気のない返事はなんですかね」

幸「いや、そんな、とんでもねえです」

左「そうですか…。と、この二人は…」



三「ぐう」

兼「んごー」



幸「…寝てますね」

左「ったく、こんなトコで寝なくても」よいしょ

幸「わ…!すごい、先輩がぬいぐるみみたいに小脇に…!」

左「とにかく、ベッドに運んどきますか」のそのそ



幸(まるでお母さんですね…)



(それにしても…、明後日のテストは数学なんですけど…どうしましょうか)





左「わっ、ちょ、ヨダレ!ヨダレたれてる?!」



ばたばたーん



三「ぬう…、…………ぎゃあああ!」

兼「ハッ、……うわあああ!」

三「左近に襲われてる?!」

兼「タスケテー!!」




幸「ちょ、どうしたんですか?!」