01:遅刻回避
四人
幸「あ、おはようございます」
兼「おはよう、幸村」
幸「おはようございます」
兼「しかし今はおはようというよりは…」
三「ごきげんよう」
幸「あっ、そうですね、ごきげんよう。兼続先輩、三成先輩」
兼(あれ…?ごきげんようでよかったっけ…?なんかもっと違う挨拶とか…)
三(…冗談が通じなかった…)
幸「どうしたんですか?…あ、島先生、ごきげんよう!」
左「えっ…、あ、ああ、ごきげんよう…?」
幸「今日もヒマそうですね」
左「ヒマに見えましたか。そうですかそうですか。それはそうと真田さん、アンタまた遅刻かましましたね?」
幸「あ、すみません。また寝坊を…」
左「今週に入って三回目ですぞ。いい加減、夜更かしはやめるべきだな」
三「毎晩なにかやっているのか?」
幸「いえ、その」
兼「……コレか?」小指
幸「えっ、違いますよ。そんなモノいりません」
三(ふっ…、不健全な男子学生だ…!)
幸「ただ、最近ゲームを…」
左「はあん?テストで赤点とるようなヤツが…、寝坊するほどゲームを、ね?」
兼「寝坊して遅刻、そして赤点。…それでは悪循環だぞ」
幸「すみません。どうしてもラスボスが」
三「強いのか?」
幸「はい、ものすごく」
左「まあゲームもほどほどに、勉強してくださいよ」
幸「なんか…、人に言われるとやりたくなくなるってよくありますよね…」
左「・・・」
三「ふむ。では俺がラスボスを倒してやろう」
幸「えっ、いいですよ!自分でやります。というかいいトコ取りしないでくださいよ」
兼「…この場合、今まで苦労を重ねてきてようやくラスボスに立ち向かっている幸村に対しその手柄を横から掻っ攫おうとする三成が不義か、それともせっかくの三成の申し出を断る幸村が不義か…。んー…、不義って奥が深い」
左「まあ…、俺はちゃんと授業に出てくれればなんでもいいんですけどね」
三「いいトコ取りではない。手伝いだ」
幸「遠慮しますよ。それに、三成先輩もご自分の勉強が…」
三「ふん、ここが欧米なら俺はとっくにスキップしているぞ」
幸「はい?」
(三成先輩がスキップ…?え?どうしてこんなところでいきなりスキップを?なにかそんなに楽しいことがあったのでしょうか…?それとも頭の病気…)
兼「幸村、飛び級のことだぞ」
幸「あ!」
三「・・・」
幸「でも、それでも一応、あの、頑張ってください。私はゲームをクリアしたらちゃんとやるので」
三「…よし、決めたぞ。みんなで幸村の家に合宿だ。幸村が寝坊しなくなるまでみんなで幸村を鍛えるんだ!」
左「石田さん、少し落ち着きましょう」