Oh! JINGI
三成 + 左近
「殿ー、殿ー、どこにいらっしゃいますかー?」
がさがさ
「とのー、怒りませんから出てきてくださーい」
がさがさ
「とのー、いい加減仕事してくださーい。ほらー、左近は怒ってませんぞー」
がさがさがさ
「……殿のだーい好きなクマを机に飾っておきましたよ」
がたがたっ
「なにっ?本当か!」
がし
「殿、捕まえましたぞ」
「なにっ、わ、罠か!それは兼続流不義だぞ!」
「意味のわからないことをわめく前に仕事してください」
「今日は有給だから俺は遊んでいるのだ」
「ほおーう、左近とかくれんぼとはそれまた風流な」
「ええい、意味のわからぬことを言うな!手をはなせ!」
「仕事・して・ください」
「有給なのだ俺は少し休むのだ人間には休息が必要だ!」
「たしかに殿の仕事の量は尋常ではありませんがそれは殿がサボるせいです。なぜこんなことになったのか自分の胸に聞いてください」
「・・とのことだ。どうだ?・・・うむ。左近、俺の胸は『三成クンは全然悪くないヨ!』と愛を囁いてくれたぞ」
「あなたは胸の中に直江殿を飼ってるんですか」
「兼続はいないが裏三成はいるぞ」
「意味のわからないこと言う前に仕事です」
「意味がわからぬだと!よし、左近、俺が手取り足取り詳しく説明…」
「あなた遊んでいるヒマなんてないでしょうさっさと歩きなさい」
「むきい!」
*
「・・・左近。俺が悪かった。見直したぞ」
「そうですか」
「・・・やはりクマはいいな…」でれでれ
「クマも左近も見守っているのでしっかり仕事しましょうか」
「ふん、左近はいらぬ」ツン
「ツンデレにもほどがありますぞ」
「・・・クマ」デレ
「はい、殿、手、ぱー」
パー
「はい筆持って。ぐー」
グー
「さ、仕事しましょうか」
「・・・・」
ぺいっ
「あああ!書簡に墨が…!」
「クマ」デレ
「あなた何歳ですかいい年してクマクマ言ってるんじゃありません!」
「お前こそいい年したゴツ男のくせにコグマが好きではないか」
「俺は分別をわきまえてるので問題ありません。はい、ぱー」
「俺だってさすがにクマと結婚できぬことくらい知っている」パー
「知らなかったら大問題です。はい、ぐー」
「だから俺だって分別ぐらいわきまえているぞ」ぐー
「そうですか。なら仕事できますね」
「・・・むう」かきかき
(…ふう、ようやくか)
「・・・・左近、飽きたぞ」
「え、もうですか、ついさっき始めたばかりじゃないですか何言ってるんですか正気ですかいい加減にしてください」
「よく喋るな。そんな左近はじめてだからびっくりだぞ」
「はい、この書をさっさと読んで。そうすれば終わりです」
「なにっ?もう終わりか?なんだ、たいした量ではないではないか」
「はいはい。これ終わったら好きなだけ遊んでくださいね」
「よし、左近、一緒にクマを探しに川へ行くぞ」
「クマの木彫りでも作る気ですか」