お茶目に長宗我部

元といっぱい









ガ「元親、その顔の模様はなんなのじゃ?」

元「顔の模様……、ああ、これか。これがどうかしたのか」

ガ「どうもしないが、気になる。奇天烈な紋様じゃ」

元「昔々、第六天魔王と呼ばれた男がいた」

ガ「信長公のことじゃな。ハッ、それはもしや、信長公とケンカして引っかかれ……」

元「信長は四国には来なかった」

ガ「むう……」

元「ある日、トサピカという名の老人が俺の枕元に立った」

ガ「とさぴか? お米の人?」

元「米とは無関係だ。その老人は俺にこう言った『魔王をやっつける魔法をお前に授けよう』……。そして目が覚めた俺の顔にはこの模様が……」

ガ「なんと! それは魔力の元なのか!」

元「ああ、だから俺は三味線の音波を増強して乱戦も可能になった」

ガ「それまでは?」

元「タイマンでひたすら三味線で相手を殴っていた」

ガ「……シュールじゃ」

元「これでわかったか」

ガ「うむ。世は不思議で美しいのじゃ!」ばいばい

元「……」



三「……」

元「……なんだ」

三「お前……、この間俺に……、『これは正月の羽根つき大会で大負けして落書きされた』と言っていたではないか……!」

元「そうだったかな。……そんなこともあったかな」

三「嘘をつくやつは嫌いだ! 生牡蠣にあたって腹でも下してしまえ!」ダッ

元「……」



左「……」

元「今度はなんだ」

左「嘘だ! 長宗我部殿のバカッ! 『なめくじの這い跡だ。お前も気をつけるといい』って言っていたじゃないですか!」ダッ

元「あ、島……」

左「嘘つく人のふんどしなんて透明になってしまええええ」



元「……」

兼「不義不義不義不義不義不義不義不義」

元「わ……、お前か。驚かせるな」

兼「不義不義不義不義不義不義不義不義」

元「……少し、黙れ。凄絶に不愉快だ」

兼「ふんどし透明になれふんどし透明になれふんどし透明になれふんどしヒモになってしまえふんどしねじれ」

元「……刻み込め凄絶にッ」ぶおん

兼「ふっ」すたっ

元「……」

兼「不義者の攻撃などあたらぬさ」

元「……俺はお前にこの模様の話をした覚えがない」

兼「した」

元「いつ」

兼「夢のなk

元「どぅあまるええ!」えいっ

兼「ごふばっ」

元「……はあ……、はあ……、怖かった……。……ん? なんだ、この文字は」



『昨日の夕飯に食べたナスが今頃爆発しろ、不義』



元「……」

幸「……」

元「!」ハッ

幸「か……、兼続殿が……しっ、死んだ……」

元「幸村、勘違いは……」

幸「長宗我部殿が! 兼続殿を! 殺した!」

元「話をしよう」

幸「なぜ殺した!」

元「……この顔の模様の意味は知りたくはないか?」

幸「えっ……、すごく、知りたいです」

元「俺は幼い頃から紙パックの飲み物が苦手でな……、よくパックを握りつぶしては顔に中身が飛んできた」

幸「ええ」

元「それを……、十年、二十年は続けているうちに中身の色……コーヒーなのだが。そのコーヒーのカフェインが肌に沈着してしまい、こうなった」

幸「ああ……、言われてみるとそんな模様ですね」

元(よし)

幸「しかし、パックは角を持てば中身は飛び出しませんよ?」

元「……!」

幸「十年も二十年も……、あまり進歩していないですね」

元「……」ぶんっ



グドムッ



元「……!」ハッ

慶「な、ぜ、こ、ろ、し、た」







09/08
(な ぜ 殺 た し)