長宗我部補完計画中
三 + 左 + 元
元「……ん」
三「……なんだこれは」
元「陣羽織がほつれているのがあまりに気になったから縫っておいた」
三「そっ、そんなこと誰も頼んでおらぬぞ」
元「そうか。しかし陣羽織の凄絶な叫びが聞こえたから放置することができなかったのでな」
三「ふん。まあお前が縫おうと縫わまいと着ることに変わりはない。……だが、結果的にみっともない姿を皆に見せずにすんだことは礼を言おう」
元「そうか」
三「……お前の、そのジーパンの破れ方は気にならないのか?」
元「これはダッシュ攻撃をするとどうしてもこうなってしまうからな」
三(ああ、あのイナバウアーか)「肌を露出してはケガをするだろう。俺のとこの左近に縫わせておくから脱げ」
元「いやだ」
三「ん?」
元「嫌だ、と言った」
三「なぜ」
元「凄絶に拒否する。意志する心は拒否という結論を導き出した」
三「だからなぜだ」
元「……代えのものがない」
三「……一枚を洗って乾かしてを繰り返しているからそんなにボロボロなのだ! 俺のトリコロールを貸すから今すぐに脱げ!」
元「お前の……? もっといやだ」
三「なぜだ!」
元「俺にも選ぶ権利がある」
三「……そうか」
元「……」
三「なら俺には強行手段に及ぶ権利があるな」
元「なにを言っている」
三「脱げ!」
元「……」ダッ
三「待て!」飛
元「ぐっ」ズベッ
三「追い詰めたぞ」
元「くっ」
三「さあそれを脱げ。そして俺に渡せ」
元「いやだ」
三「ならば強行手段だ」ずりずり
元「……脱がすなッ」ぶんっ
三「ふっ」さっ
元「……ん?」
左「……」
元「……」
三「どうした」
元「……」あれ
三「?」
左「……」
三「……」
左「どうも、こんにちは。今日はいい天気ですね」
三「そうですね」
左「最近はひんやりしてきて少し過ごしやすくなってきましたね」
三「そうですね」
左「ところで左近には殿が浮気をしているように見えました」
三「そうですね」
元(この主従って一体……)
左「……」ダッ
三「さこー!」ダッ
元「……放置プレイか」ふう
09/04
(長宗我部補完計画中)