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誰も知らない
左 + 兼 + 幸
「風魔がいなくなったので探しに行ってきます。 三成」
左「……」ふらあっ
幸「あっ、島殿! お気を確かに!」
兼「がんばれ! まだ勝機はあるぞ!」
左「これは……夢……、そう夢……」
幸「現実を見てください。ごらんください、これが三成殿直筆のお手紙です」
左「みっ、見えないっ……うっ、そんなものうっ、ぐすっ」
兼(泣いてるの?)
幸(みたいです)
兼(えーどうしよう、いい対処法はないか?)
幸(愛情をもって頭を撫でてあげましょうか)
左「……?」
兼「よしよし」なでなで
幸「元気だしてください」ぐりぐり
左「そのお心遣い痛み入りますがやめてください。特に真田殿。なんか最近平気な顔してひどいことしてきますよね」
幸「別に……」
兼「最近幸村はお年頃でな、反抗期なのだ。ついで言うと三成も反抗期だな。というか親離れの時期だ」
左「……おっ、俺が親なんですか?!」
幸「倦怠期かもしれませんよ」
兼「ケンタッキー? そういえば最近行ってないな。そうか三成はケンタッキーに行ったのか」
左「殿は肉が嫌いです」
兼「ところで島殿、顔色が悪いですぞ」
左「だって殿が家出したんですよ! 仕事ほっぽらかして!」
幸「でも風魔殿を探しに行ったのならそのうち帰ってくるのでは?」
左「その間左近は誰を抱き枕にして寝ればいいんですか」
兼「……最近、島殿が図々しいな。平気な顔して三成を要求してくる」
幸「多分抱き枕にされるのが嫌だから出て行ったんですよ。ほら、『実家に帰らせていただきます!』って言いますよね。……そういえばくのいちは本当に実家に帰ってしまいました」
左「えー、嘘だあ。殿と俺はリアルに愛し合っています」
兼「とりあえず不愉快になるから黙ってほしい」
左「……はあ。なんか疲れてきた」
幸「それか、島殿、コロンかなにかはつけていますか?」
左「え? そりゃもう、大人の男の嗜みです」
兼「ふっ、大人の男は加齢臭がするからな!」
左「黙ってください」
幸「たぶん、三成殿は島殿のコロンがお気に召さなかったのでしょう。コロンというものは好みが分かれますからね」
左「殿の家出の理由を手紙以外に求めないで下さいよ」
兼「というか島殿は三成を探しに行かなくてもいいのか? それとも私たちと一緒にいたいのか?」
左「探しに行きたいですよ! けれどこの状況じゃ行けませんて!」
兼「この状況? なにか困っていることでも?」
幸「別に私たちはなにも妨げていませんよ」
左「俺が出て行ったら誰が仕事するんですか!」
兼「……チョーフツー」
幸「普通すぎておもしろくないです」
左「なに日常にほんの少しのスリルを求めているですか! 俺は探しに行ける状況ではないので、お二方に捜索をお願いしたいのですが……」
兼「無理だ。私たちも暇ではない」
幸「はい」
左「あー……殿、お願いですから早く帰ってきてください。そしてこのふたりを追い出してください」
兼「無理だ。私たちと三成はチョー仲良しだからな」
左「……あ、慶次殿は? あの方なら年がら年中ニート状態ですよね」
幸「慶次殿に謝ってください」ニートって
左「あ、はあ、すみません」
兼「しかし慶次か。うむ、アリかもしれんな」
慶「おーう! 呼んだかア?」
左「わ、出た」
幸「実は三成殿が家出したのですが、私たちは忙しいので慶次殿に捜索をお願いしたいのですが」
慶「おー、三成ねえ。知ってるぜ。というか、三成に俺の松風とられちまってさア、俺も困っているんだよな」
左「松風に乗って家出?! 追いつくのは無理か……、というかどこに行ったのか見当もつかないのですが」
兼「それならば三成が自分で書いているだろう。『風魔がいなくなったので探しに行ってきます』とな」
幸「風魔殿はどこへ行ったのでしょう?」
兼「……」
後日、風魔を追い掛け回す殿が琵琶湖畔で目撃されました。松風は一人で帰ってきました。
07/30