長宗我部グリーン

長宗我部シリーズ、みかんネタ









三「やっぱ冬はおこたにみかんだな」

左「殿はどこに行っても殿ですねえ」

三「なんだ?」

左「いえー。まさかそんな生真面目な顔しておこたにみかんなんておっしゃるなんてねえ」

兼「夢に出てきそうだな。いい意味で」

幸「夢に出てきました。いい意味で」

三「なに? 俺の夢を見たのか?」

幸「ばっちりです」

三「俺はなにをしていた?」

幸「生真面目な顔しておこたにみかんと言っていました」

左「まんまじゃないですか」

幸「黙れハゲネズミ」

左「ハ、ゲッ……」え、今、誰が言ったの?

兼「まあ、おこたにみかんはいいよな。誰が考えたのだろうな、こんな素敵なシチュエーション」

三「そんなことに興味を持つくらいなら俺のみかんの皮をむいたらどうだね」

兼「はは、しかたないやつだ」

左「……まあ、ハゲネズミはいいとして」

三「誰もそんなこと掘り下げていないぞ」

左「なんで土佐の人はうちのみかんをむさぼっているのですか」

三(左近が俺を無視した)

元「……このみかんはすっぱいから食べぬほうがいいぞ」

幸「もう全部あなたの口の中にあるというのにさらにそれを食べられる可能性を考えた長宗我部殿こわい」

兼「……大人の世界だな。こわい」

元「ああ、三成。すまない、邪魔している」

三「見てわかったからみかんをむいてくれないか。兼続が幸村と一緒にこたつの中にもぐってしまった」

左「みかんの皮を礼を欠いているとはいえ一応の客人にむかせるのは……。左近がむきますよ左近が左近が左近が! 左近が! 左近がって言ってるでしょう長宗我部殿!」

元「ほら、これでいいんだろう」

三「サンクー。あ、だめ。白い筋取らないと話にならん」

元「……皮をむく前は?」

三「声にならん」

元「……そうか」

左「ああもうこの人! 左近にあてつけるように殿の面倒を見るのは金輪際ナシにしてくださいよお願いしますよ。上等の座布団あげますから」

兼「みかんの皮をむいていくうちに指先って黄色くなっていくよな」

幸「なりますね。あれって洗ってもなかなか落ちませんよね」

兼「不義だよな。不思議だ」

幸「不思議ですね」

兼「幸村は赤いから、黄色が混ざってオレンジになるんじゃないかな」

幸「オレンジ、ですか」

兼「うん」

幸「……オレンジになっちゃうんですか、私!」

兼「うん、なるよ」

幸「ウワッ! あっさり!」

兼「ちなみに長宗我部殿は青いから……、緑になるな」

幸「……長宗我部殿って海の人っぽいですし、なんだかコケが生えちゃったみたいでいい感じだと思います」

元「違う。俺はガラシャになる」

左「変なところで反骨精神をむき出さないでほしいです。想像したら頭痛が痛くなりそうです」

幸「……頭が痛いから頭痛って言うんですよ? 頭痛が痛いってつまり、表現が重複しているので……」

左「うわ、悪意のこもったボケ殺しだ」

三「いいんでない? ガラシャっぽい元親も。ちょっとやってみろ」

元「世は凄絶に不思議で美しいのじゃ」

兼「……っぽい! すごくぽい! でも声が少しこわい」

元「ダチ? 上等じゃ。ダチじゃ、凄絶に」

幸「アンコール!」

元「いや、もう終わりだ」

三「……ちょっと今、ガラシャの格好をした元親を想像してグロッキーになっていた」

元「失礼な。お前よりかは似合う予定だ」

三「俺は似合う予定がない。左近なら似合う予定どころか確定だ」

左「またこっちに話を振ってきて。大人しくみかん食っててください」

兼「島殿ってなんかネズミに似ているな」

幸「だから言ったでしょう、ハゲネズミって」

三「それはそれで可愛いよな」

幸「兼続殿はドブネズミって感じしますよね」

兼「……受け入れがたい現実って時たまあるよね。これだよ」

三「リスっぽい顔してないか、こいつ」

兼「それって顔が下膨れってこと?」

幸「なにそのネガティブキャンペーン」

三「目がリスっぽい。輪郭は、タラっぽい。鼻は木っぽい。口は数の子っぽい。頬は赤ちゃんのお尻っぽい」

元「……すまぬ、みかん吐いた」

左「なぜか左近の胸の中で」

三「……ああ、左近なら別にいい。洗えばいいし」

左「左近をリサイクル製品みたいに扱うのはどうかと思います」

三「今日の左近の胸はみかんの香りか……。楽しみだな」

元「言っておくが俺のゲロだ」

三「……元親って、タコっぽい顔しているよな」

兼「それって些細な復讐のつもりか」

元「タコか。かわいいではないか」

幸「でもタコよりも、アンコウって感じが……」

左「さっきのハゲネズミといい、メガネをかけることを要求します」

幸「……あ、ハツカネズミ!」つか島殿くさい

三「……ぽい」さっさと着替えに行かないのか

兼「ぽい」気に入っているのかな

元「そ……そうか? それって褒められているのか?」

左「ハゲネズミに比べれば雲泥の差かと」

元「そうか……、まあ、その、凄絶に上等」

幸「で、三成殿はハリネズミっぽいですねー」

兼「ぽい」






01/03