会いたい

左近を蘭丸みたいな美小姓化計画を練る三成(+明智さん)









三「……どうだ?」

兼「どうもこうも、お前ってやつはモンスターを作るのが上手いってことを私たちに教えたかったのか?」

幸「化け物ですね」

三「だ、そうだ」

左「正しい思考だと左近は思います」

幸「すみません、吐き気がするのでトイレ行ってきます」

兼「気をつけろ」

三「しかし失礼だな。人のとこの軍師をつかまえて未曾有の化け物とは」

兼「いったい島殿になにがあったのだ? 暑がりなのか? 半ズボンなんて。見苦しい」

三「ふむ……。やっぱり形からではだめだったか。左近、お前には心が足りぬ」

左「もう勘弁してくださいよ。気持ちよく就寝していた左近の身ぐるみひっぺがしてこんなもの着せたのはどこのどなたですか? え? 左近が自分から好んでこのような格好をしていると?」

兼「違ったのか……」

左「そこ! 真剣に考えるな!」

三「兼続、俺には義の次に大切なものがある」

兼「言ってみろ」

三「野望だ。左近を、こう、なんかかわいくしてあげるという」

左「あの、本気でぬっ殺しま……あだあ!」

幸「せめてスネ毛を剃られたほうがいいのではないでしょうか……」

三「幸村、それ欲しい」

幸「あ、はいどうぞ」

三「左ふくらはぎ下から六センチ中心から右三センチの毛はまだ手に入れてなかったのだ」

兼「ちなみに、あとどことどこの毛を手に入れればコンプリートなのだ?」

三「最終的にすべての毛を手に入れなくてはコンプリートとは言えまい」

幸「じゃあ、近い将来島殿は体中がツルツルになるんですね!」

左「ちょ、なにをそんな楽しそうに! 毛って守らなきゃならん場所に生えるもんでしょう! 左近を守る毛がなくなっちゃう!」

三「毛なんてあってもなくても死ぬときは死ぬしお前は俺が守るから」

兼「おっとこまえー!」

左「いや、あの、左近はスネ毛真拳免許皆伝とまで言われた男で体中のスネ毛を自在に操ることで身を守るという攻防システムになっていましてその予定を狂わされるとちょっと左近危ないかなあって」

兼「スネ毛が動くって気持ち悪いな」

幸「ちょっと近寄らないでって感じですね」

左「なにこの若い女の子みたいな人たち!」

三「少し驚いたがそれはそれでおもしろいな」

左「すっごい他人事!」

幸「それにしても、どうして島殿はそのような格好をされているのでしょう」

左「殿が突然」

三「森蘭丸を知っているか。すごく美しかったらしい。そこで、うちの左近のほうがよっぽどだと思ってやってみた」

兼「多分、森蘭丸が聞いたら怒るだろうな」

幸「柳眉を逆立てて島殿の首をとりにきますよ」

左「俺っすか!」

三「いや、ほら、よく言うだろう。敵は本能寺にありって。だから多分、森蘭丸は本能寺に行くと思う」

兼「森蘭丸は本能寺を攻める側ではなかったぞ」

左(あらゆる意味で怒りそうだな……、森蘭丸)

三「ともかく、左近を美小姓にしようと思っている。お前たちの力を貸してくれ」

幸「じゃあ素材が美しくないので違う素材に変えましょう。三成殿が美小姓になりますか?」

三「いや、左近のほうが俺なんかよりもずっと美しいではないか。俺と左近の間には、越えられない壁があるの」

兼「本気で言っているから始末におえないんだよなあ、三成は」

三「俺がなにか間違えたか?」

兼「いーや、お前にとってはそれが真実だからなあ」

左「あの、俺、着替えても」

三「ならぬ!」

左「ですよねー」

幸「じゃあ、数え切れないほど譲って島殿を素材にして美小姓を作るってことにしましょう。まず……化粧ですかね?」

兼「コスメなら私が持っている」

三「なぜ」

兼「たしなみだ。ほら三成、これで島殿の口を」

三「? よくわからんが口だな。オッケー」

左「あの、殿、俺、顔をそむけてもいいですか」

三「ならぬ!」

左「ですよねー」

三「しかしなんだこれは。赤いな。口に?……んー、食うか?」

左「おいしいんですか?」

三「食ってみりゃわかるだろう」

左「ふがっ!」

幸「……」

兼「あ、ベースファンデーションを忘れてたな。幸村、よそ見をしてないでこれを島殿の顔にぶちまけろ」

幸「あ、はい」

左「殿、変な味がします」

三「食べるものではないのか」

幸「島殿、すみません。兼続殿のいいつけで」べちゃっ

左「ぶっ」

三「これはなんだ? 卑猥な液体か?」

幸「なんでもベー?……ファン……ション? だそうです」

三「ふうん」

左「ぎゃっ! 目に入った!」ごしごし

三「左近、顔が白くなってきたぞ」

兼「幸村、こっちがパウダーのファンデーションだから、これを島殿の顔に塗りたくってこい」

幸「あ、はい」

左「顔がヌルヌルするんすけど……。殿、顔洗ってきても」

三「ならぬ!」

左「ですよねー」

幸「三成殿、これを島殿の顔に塗りたくってほしいそうです」

三「うむわかった」

左「あー、なんか顔がぞわぞわする」

兼「幸村、アイブロウ。眉毛をかけ」

幸「はい! 三成殿、どうぞ」

三「うむ」ごりごり

左「すごく左近は不安です」

兼「幸村、アイライナー。目をかけ」

幸「はい! 三成殿」

三「うむ」がりがり

左「とても左近は不安です」

兼「幸村、アイシャドウ。目に色をつけろ」

幸「はい! 三成殿、これを」

三「うむ」

左「ぎゃー! 目に入れないでください!」

兼「幸村、カーラー。マツゲをくるっとさせろ」

幸「はい! 三成殿」

三「うむ」ぎゅっ

左「いでええ!」

兼「幸村、マスカラ。マツゲにボリュームを」

幸「はい! 三成殿」

三「うむ」ぷすっ

左「ひい! 目の中に黒いのが!」

兼「幸村、チーク。頬に赤みとホリを作れ」

幸「はい! 三成殿」

三「うむ」ぼふっぼふっ

左「げふっ」

幸(堀……、どこに作ればいいんでしょう)

兼「幸村、三成にさっき渡した口紅を島殿の口に塗りたくれと伝えてくれ」

幸「だそうです三成殿」

三「なに、あれは食い物ではなかったのか」

左「ちょ、左近食っちまいましたよおお!」

兼「なに? 食いしん坊だな。ならこっちのグロスを使え」

三「うむ」べちゃべちゃ

左「ちょ、殿、左近はそろそろ本当に化け物になっているような気がするんですけど、あっ、口の中に入った」

兼「あとは……、私が出来上がりをこの目にするだけだな」

幸「あ、だからずっとそっぽを向いていたんですね」

兼「ああ、楽しみだろう。三成の義の手によって島殿がいったいどんな愛の姿になっているか」

左「殿、できれば左近はこの場から逃げ出したいのですが……」

三「ならぬ!」

左「ですよねー!」

幸「じゃあ、いちにのさん、で兼続殿は島殿とご対面、ということでいいですか?」

兼「オッケー」

幸「三成殿も大丈夫ですか?」

三「ああ、準備万端だ」

幸「よし。いきますよー。いち」

三「にの」

兼「さーん!」バッ






12/19
(こんなところで告白するのもなんですが、私はムソ蘭丸がどーーーしても好きになれなくて好きになれなくて彼がよくわからず好きなお友達に聞いて頑張ったんですけど明智さんがあんまり出ていないなあと時代的にあわないからごめんなさいでした)