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Side,Gon
偶然ぶつかったのは、ミツナリさんという整った顔の人だった。
ミツナリさん(と一緒にいたサコンさん)はすごく不思議な雰囲気を持つ人で、俺はすごく興味が湧いた。変に思われるかもしれないけれど、どうしてか周りから存在が浮き出ている感じ。
話してみると雰囲気は変わっているけれど普通の人だった。サコンさんという人がなぜかミツナリさんはトノと呼ぶのが変わっているだけで。
ただ、キルアが会話に加わった途端、サコンさんの様子がおかしくなった。すごく怖い顔をして、ちっとも喋らなくなった。ミツナリさんは普通だったけど。
キルアはあまり気にしている様子がなかった。というよりも、二人に興味がなかったみたい。俺がミツナリさんにいろいろ質問しているあいだも、ぼんやりしていたし。後で聞いてみたら「弱そうだったし」とだけ答えた。
確かに、すごく強そうな感じはなかったけど、なんだか不思議なものを感じるんだよなあ。俺だけなのかな?
Side,Killua
いきなりペースを落としてゴンにぶつかった男は、気難しい表情をしたそこらへんにいそうな弱そうなやつだった。手に持っているのは大きな武器らしきものとトンパが配り歩いていた下剤入りジュース。
この時点で弱い、と完璧に認識した。
一緒にいた大柄の男はこれみよがしにでっかい武器持ってるし、こういうタイプって大抵、見かけ倒しなんだよね。懐に入っちゃえばこっちのもんだし。
たいして興味もなかったけど、ゴンが楽しそうに話すからしかたなく俺も自己紹介した。ミツナリって名前のと、サコンって名前。変な名前。
サコンってほうの男は、俺を見るなりいきなり顔を真っ青にして、少し離れていった。
なに? 気分悪いんだけど。
まさか、俺のこと知ってるとか? でも俺らの顔写真だって懸賞金がかかってるんだぜ。まさか知られてるわけがない。
考えられるのは、俺がゾルディックだと知っているということ。それか、俺がゾルディックとは知らないけど、それに近い環境で育ったと肌で感じた。どちらの可能性にしても、裏の世界に生きているってことは確実だ。一般人は、ゾルディックの名前は知っていても顔は知らないし。
サコンという男はあからさまに態度に表したけれど、ミツナリってやつは全然顔色も変えないし、警戒している様子もない。さっきの様子からして、深い付き合いみたいだし、ミツナリってやつだけが知らない可能性はない。
となると、ミツナリってやつはそれほど自分に自信があるってことか。考えすぎか?……いや、強いやつほど自分の強さを隠すのが上手い。
……よくわからない。要注意人物ってことだけだ。
でも、ゴンの質問には最初の印象をまんま伝えた。
Side,Kurapica
不思議な二人組だった。
ヒソカが受験者の一人の腕を落としたときに目に付いたのだが、周りは動揺するものばかりだったというのに、二人は特別に表情を崩さず冷静にそのシーンを見つめていた。なにか会話を交わしていて、サコンという男が首をかしげていた。それがあまりに印象的だった。
単純に、どうして首をかしげたのだろう。そのシーンのどこに首をかしげる要素があったというのだろう。
そして二人と接する機会は難なく訪れた。
ミツナリはゴンと偶然ぶつかり、その流れで私とレオリオと会話をしようと試みた。しかし、彼が喋っている途中で、サコンという男が冷や汗をかいたまま強引にさえぎった。
なにを焦っているのか初めはわからなかったが、どうやら礼儀を軽んじているという心配だったようだ。ハンター試験という荒くれ者ばかりが集まる場所で、どこか珍妙な二人だと思った。
このサコンは、ミツナリの保護者のようだ。しかし、うっすらと見て取れる上下関係は、ミツナリのほうが上のようだ。それに、私はなぜかその名前をどこかで聞いたことがあるような気がする。
ますますわからない。
Side,Leorio
ゴンにぶつかって、ゴンが質問攻めしたかと思ったらいきなり俺たちをチラッと見て、紹介されたと思ったら近寄ってきた。
正直、走るのにもそろそろ疲れてきて、あんまり喋る気はしなかったがちょっとした虚栄心で無理に笑った。ミツナリってやつが喋りかけたら、サコンってやつがちょっと怒って頭を下げてきた。
最近、ちょっと礼儀が足らんでないの? ってやつらばっかだったから新鮮すぎて逆に引いちまった。しかし、第一印象はかなりいい。
見たところ、ミツナリは俺よりも年上のようだ(つっても、どこぞの誰かさんたちは信じないだろうがよ)。多分、俺といくつか違うくらいだろう。そう思うと親近感もわいた。さすがに、サコンのほうは俺とはかけ離れた年だろうが。
それに、ミツナリの息が結構あがっている。俺も随分疲れていたところだから、もっと親近感が湧いた。この試験はバケモンだらけで俺みたいな凡人はちと気後れしそうだったが、似たようなヤツが一人、身近に発見できた。とはいえ、どう見ても十キロ二十キロじゃすみそうにないバカデケエ武器持ったサコンのほうは、汗ひとつ見せていない。
ほんっと、バケモンだらけだな!
01/20
(介入者を過大評価する話ってのが苦手というかむず痒くて読めないのですがなんかこれもこれで……)